大エジプト博物館
「現代のピラミッド」
―古代と現代が紡ぎだす
エジプトの至宝、永遠の未来へ―

ギザの広大な約480,000平方メートルの敷地に建設中のこの博物館は世界最大級の規模で、展示スペースはもちろん、複合施設としてコンファレンスセンターや売店、レストラン、ホテルなども含まれています。
三角形のガラスが続く入口から中に入ると、まるでピラミッドの中に吸い込まれていくような感覚に。天井や壁がガラスなので室内に太陽光が差し込み、内部は光り輝き、まぶしい光に包まれます。

正門を通過すると、ラムセス2世の石像が出迎えてくれます。ラムセス2世は、紀元前13世紀、古代エジプト第19王朝で60年以上統治し、エジプト史上最強のファラオ。高さ約12メートル、重さ80トンに達する巨大な石像は威厳に満ちあふれ、膨大な人類の宝物を守る番人のようです。

観覧は緩やかな傾斜を登って周辺を見渡すような形で、一直線に長くのびた建物の中央には、長さ約65メートルの階段が続いていく。階段の上にも年代順に遺物87点が展示される予定です。展示場を回って階段の最後に到達した時、ガラスの外壁の向こうにギザの3大ピラミッドが絵画のように目に映りました。博物館からピラミッドも眺めることができるのです。

2016年からカイロのエジプト考古学博物館所蔵の遺物は大エジプト博物館に順次運ばれており、最終的に約10万点になる予定です。1902年に設立されたエジプト考古学博物館ではスペースや設備上、古代遺物を十分に公開することができなかったため、1922年に発掘されたツタンカーメンの副葬品だけでも数千点が倉庫に保管されたままとなっていました。
新築の大エジプト博物館では約7000平方メートルの広さでツタンカーメン専用の展示室を設け、寝台、所蔵品などが展示されます。展示品の説明はアラビア語・英語、そして日本語でも表記される予定です。
今年7月にはルクソール「王家の谷」のツタンカーメン王墓から、ツタンカーメン王の棺が、大エジプト博物館に移送されました。1922年のツタンカーメン王墓の発見から手つかずの状態であったため、慎重に修復作業が行われています。(2019年9月)
―この時代に生きるあなたへー 過去長い年月に渡り、先人たちが目にすることが叶わなかったあふれんばかりの人類の至宝・古代エジプトのコレクション。それらを見ることが出来る日は、もうすぐそこなのです。